求められる「表現する」能力
2022年もしめくくりの方向へと進み始めました。
「今年のお天気、やはりGlobal Warming(地球温暖化)が原因なの・・・?」
と思われることばかりが続いています。
パキスタンでは、国土の1/3が水没したといいます。
一方中国では厳しい干ばつが起きています。
地球の未来はどうなってしまうのか・・・?となんだか重い気持ちになってきます。
経済力のある欧米や中国・日本は自国だけに目を向けず、
世界の問題として立ち上がらなければならないタイミングかもしれません。
日本の新しい原発(?)はほんとうに正しい選択か否か?
みんなが真剣に考えるべきテーマです。
日本人の知恵と行動力を今こそ見せたいところです。
さて、話は英語に戻りますが、長い間通訳をなさっておられた長部三郎さんの著書に「伝わる英語表現」というのがあります。
その中で彼は『日本語は抽象的であるばかりでなく「あいまいさ」が特徴です』と表現しています。
これについては私も同感です。
その第一の要因は主語の有無です。
構造を重んじる英語の世界はだれが――するのかが、必須なのです。
しかし、日本語ではほとんど主語を用いませんので、
「だれに対して――しているか?」
「だれが――しているのか?」
があいまいに話は進んでいきます。
そんな言語文化の中で育ったお子さまたちは、
まさにその遺伝子を受けついだ言語脳をそなえています。
大人たちと同様、現代のお子さまたちは「私は――と考えます!」ということは、
全体的にうまくできません。
‘Do you think it is good for schools to take their students to classical concerts?’
「あなたは、学校にとって、生徒たちをクラシックのコンサートにつれていくことがよいことだと思いますか?」という英検準2級の問題です。
受験生は、Yes or Noの意見を明確にし、その理由を「2つ」50~60単語を使って自己表現をしなければなりません。
みなさんはこれについて明確な2つの考えを示すことは可能でしょうか?
英語というよりは、「考える→自分の意見をもつ→伝える」能力を問われることになるのです。
最近は各高校でも、この能力の育成にとりくんでいるようです。
子供たちを育てる「大人の責任」として、
「あいまいな表現」で終わらせるのではなく、
はっきりとした自分の考えをお子さまに示すと同時にお子さまたちの考えを引き出すように、
日頃のコミュニケーションをつくりあげてみたいと思っている今日この頃です。